日本各地の発酵食品をご紹介します。世界の食文化研究の第一人者、石毛直道の「発酵コラム」も必読です。 塩辛 【めふん】 新巻鮭のせわたを有効利用 「めふん」とはサケの腎臓をつかった塩辛のこと。新巻鮭をつくるときに取り除く腎臓(せわた)の部分を塩漬けにし、熟成させたものです。その名称は、せわたをさす「メフヌ」、「メフン」という北方アイヌ語からきているとか。薄い食塩水で洗ったせわたを水切りし、2~3割の塩をまぜて布に包み、水分をしみ出させて残った固まりを風に通してから桶やびんにつめて熟成させます。めふんは熟成がすすみやすく、一年以上たつと、とろとろになって原型をとどめなくなります。