日本各地の発酵食品をご紹介します。世界の食文化研究の第一人者、石毛直道の「発酵コラム」も必読です。 なれずし 【くさりずし】 時代と共に変化する房総のなれずし 「くさりずし」。ちょっと驚く名前ですが、これは千葉県・九十九里浜に伝わる伝統的な保存食でなれずしの一種。なれずし独特の香りから付けられた名前です。くさりずしは秋から冬にかけてイワシ漁の最盛期に、苦労して得た海の幸を保存する方法として生まれました。イワシ漁で有名な九十九里沿岸ですが、サバやサンマでつくったものも、くさりずしと呼ばれています。最近は食べやすくするために熟成期間は短めにつくることが多いそうです。ショウガと赤唐辛子を風味付けで漬け込んでいるのが特徴です。