「食」を考えるKIRIN・東京大学パートナーシッププログラム 2010年度

2010年度のテーマは、「国際化と食」。キャンパスの国際化を「食」という視点からとらえ、文化的多様性を学び、理解しあう活動を行いました。また、新入生の「食」リテラシー向上を目指し、学生たちの手で、これらの活動をまとめたガイドブック「駒場を食べよう」を作成し、新入生に配布しました。

活動報告「食ガイドブック」

2010年度の「食」を考えるKIRIN・東京大学パートナーシッププログラムでは、東京大学教養学部の「全学自由研究ゼミナール 駒場の『食』を考える(=通称「食ゼミ」)」の授業を受講している学生が中心になり、東京大学の留学生や次年度の新入生に、食生活の重要性や駒場キャンパスにおける「食」事情を紹介するガイドブックを作成しました。ガイドブックは、2011年4月1日に東京大学の新入生全員に配布されました。

2011年4月12日(火)に開催された2010年度総括報告会では、ガイドブックの作成に携わった東京大学教養学部 岡田晃枝先生と「食」ゼミの学生たちから、活動の過程と感想を発表していただきました。

「駒場を食べよう」コンテンツ

表紙

コンテンツ

  • みんなをつなぐ食
    学生たちが行ってきた留学生との交流の様子や、留学生が日本の「食」について感じていること、東大本郷キャンパスでのハラールメニュー展開など。
  • 食の悩み3連発
    健康・時間・お金の3つのキーワードをもとに行う、新入生の「食」生活に対する具体的なアドバイス。
  • 駒場マップ
    駒場キャンパス内の食堂や、キャンパス近くの「食」スポットの紹介。

コンセプト

1)留学生との国際交流のきっかけに
食事はどの国の学生にとっても欠かせないもの。「食」をきっかけにした国際交流を行うことによって文化の違いなどを理解しあう機会をつくり、東京大学が単に留学生を受け入れるだけではなく、留学生とともに学び、刺激を与え合うようなすばらしい大学になっていくことをめざした。

2)新入生の食に対する興味・関心を高める
新入生が駒場キャンパスで新生活を始めるにあたり、「食」は一番の問題となる事項。自分たちが1年生の時に経験した悩みとその解決策を紹介することによって「食」に対する新入生の悩みが解消され、「食」に対する興味や関心が高まり、リテラシー向上に貢献することを目標にした。

活動の様子

1週間に一度の「食ゼミ」の授業の時間を利用して、食ガイドブック「駒場を食べよう」の企画・構成を決め、分担を決めて作成を行った。
自分たちに身近な「食」について知るために大学生協に話を聞いたり、留学生にアンケートを行ったりもした。
また駒場キャンパス周辺の飲食店を紹介する企画では、実際に飲食店に出かけてメニューを調べ、写真を撮るなどの体験を重ねた。

学生の感想

岡田晃枝先生(右端)と「食」ゼミの学生たち

ガイドブックのコンセプトや制作過程で工夫したことなどを発表した

  • ガイドブックを作るなど「食ゼミ」の活動を公表する機会を通じて、東大生の食に対する関心が高まったと自負している。「食ゼミ」以外にも数多くある、食をテーマにした講義に対して東大生の関心が向いたのではないだろうか。
  • 当初は学んだことを、レポートのようにまとめて読んでもらおうと思っていた。しかし話し合いを重ねるうちに、留学生や新入生に役立つようなものにしようと思うようになり、読み手の立場に立ってさまざまな工夫を考えた。
  • 半年のゼミ活動において多くの「食」を考える機会に恵まれ、また、話し合いの中で新たな知識を吸収することができた。
  • 自分たちが実際に行った留学生との交流の様子や、友人の留学生の声を具体的に載せることで、留学生とどう交流すればわからないという人たちに、そのきっかけを与えることができたと思う。
  • 留学生から、学生食堂のメニューは英語表記よりもローマ字表記のほうが、直接言葉で注文することが出来るから便利だと聞いて、なるほどと思った。