母親の飲酒理由が、ビールのにおいに対する子どもの反応に影響 Julie A. Mennella

逃避的飲酒者のその他の特徴

母親に対するアンケート調査では、逃避的飲酒者は、そうでない飲酒者よりも飲酒の頻度が高いことも明らかになりました。つまり、逃避的飲酒者の子どもは、普段から頻繁にアルコールのにおいにさらされていることになります。また、逃避的飲酒者は緊張や不安を感じる傾向が強く、酒を飲むことに対して罪悪感を抱いていました。これらの結果から、逃避的飲酒者の親を持つ子どもは、緊張や不安といった独特な感情的背景の中でアルコールのにおいを経験することが分かりました。

ストレスや不安から逃れるための飲酒が子に影響

子どもたちは幼い頃から、大人が飲酒する姿を見たり、お酒の話をするのを聞いたりしながら育ち、なぜ自分の親がアルコールを飲むのかを知るようになります。私たちの研究結果は、子どもたちが、アルコールのにおいと、母親あるいは父親の感情的な飲酒理由を結びつけてとらえていることを示しています。
アルコールのにおいをネガティブな感情的背景の中で経験し、そのにおいを嫌っている子どもたちと、ストレス下でアルコールを欲求する青少年や成人との間に類似性があるかどうかは、今後、さらに研究が必要です。

文:Julie A. Mennella/ 訳:キリン食生活文化研究所

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