"死んだ後の自分の臓器が自動的に提供され、誰かの体の中で生きていく"、"自分が死んだ後も友人からのコメントなどによって、死者を追悼する場所としてFacebookアカウントが残り続ける"、"生前の記録に基づいて死者がホログラムで蘇り、生きている人と双方向で会話する"というように、テクノロジーの進化に伴い、リアルでもバーチャルでも、故人との関係を続けられるようになった。
動画や音声を含め多くの記録が残されるようになった現代、リアルとバーチャルが地続きとなり、死者が手触りをもって生きている人の生活に入り込む。こうした技術は、今後「死」の意味まで変えていきそうだ。
注目した事象
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意思表示しないと、自動的に臓器提供者として登録される
オランダで、18歳以上の全国民が、事前に明確な意思表示をした人を除いて全員、自動的に臓器提供者として登録される法案が可決された。
この法案は、人口が1700万人しかいないオランダで、臓器提供者を増やすことを目的としたもの。 -
AIが死亡判別することでFacebookアカウントが自動的に死者を偲ぶ場所となる
フェイスブックは、死後のアカウント管理人制度を導入しているが、今後はこれに加え、管理人からの報告がなくても、AIを用いて利用者が亡くなったことを検知する機能を入れる。
アカウントが死者の思い出を偲び存在を讃える場所であり続けるために、故人の誕生日を祝う呼びかけなど不快な通知を停止する。 -
ホログラムで生き続けるホロコースト生存者
スティーブン・スピルバーグ設立の南カリフォルニア大学ショア財団は、ホロコースト生存者の記録を行ってきた。新技術導入で、インタビュー記録を切断して分類し、リアルタイム検索や質問への即時対応ができるようになった。
ホログラムのホロコースト生存者と観客が双方向で対話する、没入型イベントも行われている。