研究員が考える未来

新テクノロジーにより様々な産業分野が脱炭素化のその先へ

vol35_img_01.jpg

近年、新たな技術を活用して、脱炭素社会に向けてより付加価値の高い商品やサービスが登場している。プラスチック廃棄物からバニラの香りと味を出すバ二リンを生産することで化石燃料の削減。飛行機と速度は変わらず、CO2排出量が90%カットされている飛行船。工場の炭素排出物から作られた界面活性剤を使用した洗剤も登場。
技術の発展もあり今まで以上にこのような商品・サービスの登場は加速するだろう。今後は単に廃棄物を削減して環境負荷を軽減させる取り組みだけでなく、より付加価値のある商品・サービスが競争優位のカギになるかもしれない。

注目した事象

  1. ペットボトルが、バニラアイスに!?

    大学の研究で、プラスチック廃棄物からバニラの香りと味を出すバ二リンを生産することに成功した。バニラ香料は食品以外にも様々な用途があり、そのほとんどが化石燃料から合成されているが、その使用料を削減できる。廃棄物問題も解消され、一石二鳥である。

  2. 工場から排出されたCO2から洗濯用洗剤を作るユニリーバ

    ユニリーバは2社と提携し、工場の炭素排出物から作られた界面活性剤を使用した洗剤を、世界で初めて発売した。価格は今までのものと同じ。

  3. 未来の空の旅を変える、次世代の飛行船

    飛行船メーカーのエアランダー社は、2025年に就航予定の複数のルートを公開。100名乗車可能な飛行船には、飛行機と比べてスピードはそのままにCO2排出量が90%カットできるという点で優れているという。また、飛行機のエコノミークラスで過ごす窮屈な空間とは異なり、豪華なシートや床から天井までの窓、下に広がる景色も楽しめる様工夫されている。

「研究員が考える未来」のその他の記事

PICK UP