研究員が考える未来

可処分時間の取り合いで「生活のインスタント化」が進む

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2時間の映画の概要が10分で分かったり、マインドフルネスも8分に短縮、また人間関係もあまり時間をかけすぎることなく15秒の動画である程度人柄を判断するなど、技術の進展とあいまって、生活のあらゆる場面で今までにない「インスタント化」が進む。

こうした"可処分時間の取り合い"を通して生活者に生まれた「時間」は、その人にとって本当に大事なことに振り向けられていくのだろうか。それとも、かえって細切れの時間に追われるだけの生活になっていくのだろうか。効率化だけでない、それぞれにとっての"良い時間の使い方"が問われるようになってくる。

注目した事象

  1. 2時間の映画を10分で紹介する「ファスト映画」

    映画の内容を10分程度に編集し、権利者に無断で動画サイトに投稿する「ファスト映画」に対する規制が強化されそうだ。著作権侵害とともに、映画業界の利益侵害(結末までわかるので、映画本編を見ない人が出てくる)が懸念されている。

  2. 8分でストレスを軽減するVR瞑想アプリ

    Tripp社が開発したサイケデリックVR瞑想は、VRヘッドセットの中で行う没入型のリラクゼーションエクササイズ。ガイド付き瞑想アプリでの体験に、フラクタル図形や惑星が目の前を通り過ぎるような、より自由な形の体験を融合させる。

  3. 15秒の動画で気の合う仲間を探す

    Z世代をターゲットとしたソーシャルマッチングアプリ「mow」がリリースされた。「会ってみるまで人柄が分からない」というネガを解消するため、最大15秒の動画で自分を紹介できる仕組みを取り入れている。

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