研究員が考える未来

支払いとサービス提供時点をずらすことで消費者の新しい行動を生み出す

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花のサブスクも、食券の事前購入も、まかないの仕組みも、その場で生産・消費が生まれるのではなく、未来や他者といった不確定なものに価値を感じて支払っている。そこには、今自分が消費するという欲求ではなく、自分で得たい価値を新しい選択肢として選べるようになっている。
時間軸や主体に頼らない消費行動が活性化すると、自分にとって価値があると感じるものが多様化し、新しい自分に気付く可能性がある。お金を払う行為と、価値を受け取るタイミングや対象をずらすことで、新しい価値ややりがいに気付ける。

注目した事象

  1. 花のサブスクで、毎日の楽しみも健康もゲット

    店頭受取型花のサブスクが始まった。毎日1本花がもらえる月額プランから、月6回・毎回一定金額までの花を自由に選べるプランまで用意。花をもらうために歩いてお店に行くことによって、健康にもつながる。毎日1本もらえるプランは、花を生活に気軽に取り入れる習慣につながりそう。

  2. 食券を事前購入した飲食店を応援できるサービス

    飲食店の食券を事前購入できるサービスが開発された。飲食店は食券代金を収益として確保でき、ユーザーは来店できない状況でも食券の事前購入によって飲食店を支援することができる。新型コロナウイルスの影響で多くの飲食店が苦境に立たされている状況にタイムリーに対応し、かつ生活者の応援消費欲求をうまく満たすサービスではないだろうか。

  3. 50分働くと、一食分のまかないが食べられる「未来食堂」

    未来食堂のまかないという仕組みは、50分働くことで誰でも一食分のまかない券をもらえるというシステムである。お金を節約してご飯を食べたい人は、まかない券を使ってご飯を食べるもよし。将来の開業を見据えて食堂で働くことに価値を感じた人は、そのまかない券を他人に譲るもよし。

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