フード&サイエンスこぼれ話
心理学・神経科学・動物行動学など様々な分野の研究者たちによるエッセイです。
現代の食生活の背景にある、食べ物と人との関わりを科学の視点からひもといてみました。
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vol.18のどに刺激を与える消炎成分をオリーブオイルから発見
Gary K. Beauchampモネル化学感覚研究所では、スポンサー企業からの相談が、思いがけない発見につながる場合もあります。その一つ、「風邪薬の味に対する相談が、オリーブオイルに含まれる天然の消炎成分の発見につながった」というドラマティックな実例をご紹介します。
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vol.17においの秘密を探れ
Graeme Lowe嗅覚のメカニズムは、100年以上にわたって研究されてきました。私たちはどのようにしてにおいを感じているのでしょうか。においのシグナルは、どのようにして脳に伝達されているのでしょう。これまでの研究の歴史を振り返りながらご紹介します。
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vol.16人の「体臭」で何が分かる?
Johan Lundstrom好きな人の体臭は心地よく感じる一方で、知らない人の体臭は不快に感じる場合があります。私たちは、なぜそのように感じるのでしょうか?食べものが体臭に影響することは知られていますが、そもそも体臭にはどんな役割があり、脳はどう処理しているのでしょうか?
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vol.15強烈な甘味を好む子どもたち
Julie A.Mennella強烈な甘さを好む子どもの反応は、アルコール依存症の家族歴と、子ども自身の抑うつ傾向に関係することが分かりました。研究のプロジェクトリーダーである、モネル化学感覚研究所の発達心理生物学者ジュリー・メネラ教授による報告です。
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vol.14遺伝的な影響で異なる、飲食物の選び方
Danielle R. Reed食べたいもの、飲みたいものを選ぶとき、私たちは、何を基準に手に取っているのでしょうか。実は、人によって異なる味覚や嗅覚に関する遺伝子の型も、その要素の一つになっているようです。ハムとチーズのサンドイッチを例に、興味深い研究テーマを紹介します。
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vol.13特定のにおいだけを感じない「特異的無嗅覚症」
Charles J. Wysocki同じ料理を食べても、全員が同じ風味を感じているとは限りません。「おいしい」と絶賛する人がいる一方で、「臭くて食べられない」という人がいます。この違いは、どこからやってくるのでしょう?嗅覚の研究で明らかになった、感覚的な「死角」についてご紹介します。
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vol.12加齢による、嗅覚と味覚の変化
Beverly Cowart加齢によって、視覚や聴覚は衰えていきます。では、嗅覚や味覚はどうなるのでしょうか。においの種類や味の違いによる差はあるのか、個人差はあるのかなど、さまざまな研究結果をもとに、においや味を感じる能力と加齢との関係を紹介します。
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vol.11おいしいと感じる食品をよく噛んで味わうと、インスリンが分泌される
Karen Teff血糖値を下げるはたらきをするホルモン「インスリン」の分泌に、食べものの「味」が関係しているという興味深い研究があります。どんなものを、どのように食べるとインスリンの分泌が増えるのでしょうか?
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vol.10 病気による体臭の変化
Kunio Yamazakiにおいは、病気にも関係しているということをご存じでしょうか。尿などの体臭の変化によって、がんなどの病気の診断ができるようになれば、画期的なことです。乳がんや肺がんを例に、この分野の研究がどのように進んでいるのかをご紹介します。
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vol.09 カルシウム味は味覚のひとつ?
Michael G.Tordoff基本味といえば、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つが知られています。ここに「カルシウム味」を加えることができないかという、従来の定説に風穴を空ける、ユニークかつ刺激的な提言です。皆さんは、カルシウムの味とはどんな味だと思いますか?
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vol.08 特定の食品を無性に食べたくなる「食物渇望」
Marcia L. Pelchatチョコレートや焼肉、お寿司など、無性に食べたくなるものは、男女で異なるそうです。特定の食品を偏って食べる食物渇望(フード・クレイビング)は誰にでもあります。皆さんは、普段何気なく食べているものの中で、癖になるくらい好きなものは何ですか?
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vol.07 母親の飲酒理由が、ビールのにおいに対する子どもの反応に影響
Julie A. Mennella「母親の飲酒理由により、子どもがビールのにおいをどのように感じるか」、アメリカで行われた調査結果をご紹介します。少しショッキングな内容ですが、普段自らがどのような気分や理由でビールを飲んでいるか、改めて考えさせられます。
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vol.06 私たちをとりまく空間のにおい
Pamela Dalton特定のにおいにさらされたり、知らない不快なにおいを嗅いだりしたとき、私たちはをどのように感じるのでしょうか。2001年に起きたアメリカ同時多発テロ事件で、救出活動に携わった消防士の嗅覚を研究した心理学者が、においと健康との関係を紹介します。
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vol.05 のどが渇くと、冷たいビールを飲みたくなるのはなぜ?
Paul A.S. Breslineのどが渇いたとき、私たちは、なぜ冷たいビールを飲みたくなるのでしょう。
冷たいレタスを食べるのと冷たい液体を飲む場合の比較や、息苦しいときの冷たい空気との関係など、興味深い考察を寄せていただきました。 -
vol.04 塩分のとりすぎと塩味
Gary K. Beauchamp塩分の取りすぎは健康へ悪影響を及ぼすといわれます。
塩味の好みはどこから生じるのか、どうすれば塩分の摂取量を減らすことができるのか。
塩分のとりすぎを防ぐ方法を、欧米の事例も含めて紹介していただきました。 -
vol.03 食べ物の好き嫌いは、なぜ生じるのか
Julie A. Mennella偏食をなくし、健康的な食べ方を身につける方法とは?
乳幼児のころの食生活が、大人になってからの好き嫌いに影響するという興味深い仮説です。 -
vol.02 食事と代謝と肥満
Mark I. Friedmanどんな食べ方が肥満に影響するのでしょうか?
高脂肪かつ高炭水化物の食事をとると太りやすくなるそうです。食事に含まれる脂肪と炭水化物のバランスが大切であるというお話です。 -
vol.01 甘味と苦味の感覚の進化
Gary K. Beauchamp味覚は、どのように進化してきたのでしょう?
現代の肥満増加は、甘いものがやめられず、苦いものを避けた結果の代償かもしれないという面白い仮説です。